はじめに
バルブには、その用途に応じて様々な構造があります。
この記事では、特に多く用いられている基本的なバルブの構造4つについて説明します。
玉型弁(グローブ弁・ストップバルブ)
バルブのボディが丸みを帯びていることから、このような名称がついています。
のちに出てくるボール弁と混同しやすいのですが、弁体がボール状であるわけではありません。
流体の流量を調整するだけでなく、流れを止める性能も高いので、いわゆる万能使いのバルブとなります。
短所として、開閉にバルブハンドルを何回も回す必要があるため、短時間での開け閉めには不向きです。また、流体の通り道が曲がっているため、圧力損失が比較的大きくなります。
ちなみに、小型の配管でよく使われるニードル弁も玉型弁の一種です。
〇長所
・流量調整しやすい
・流体の閉止性能が高い
△短所
・バルブの開け閉めに時間がかかる(ハンドルを何回も回す必要があるため)
・圧力損失が比較的大きい
仕切弁(ゲート弁)
弁体が水門のようになっていて、水を遮断することからこの名称がついています。
その名の通り、全開、全閉で使用するバルブです。
玉型弁とは異なり流路がまっすぐなので、圧力損失が低いのも特徴です。
〇長所
・流体の閉止性能がとても高い
・圧力損失が比較的小さい
△短所
・バルブの開け閉めに時間がかかる(ハンドルを何回も回す必要があるため)
・中間開度には使えない(チャタリングを起こし、弁座や弁軸が破損するおそれがある)
ボール弁
弁体が球体であることからこの名称がついています。
球体に貫通孔が開いていて、この孔と流路が一致するようにハンドルの向きを90°変えれば、流体を流したり、止めたりすることができます。
ゲート弁と同様に流路がまっすぐなので、圧力損失も比較的低いのが長所です。
その特性から、圧縮空気の配管用などでよく用いられます。
〇長所
・流体の閉止性能が高い
・急な開け閉めができる
・圧力損失が比較的小さい
△短所
・中間開度には使えない
・ハンドルが長いので、周囲にスペースが必要
・メンテナンス性はゲート弁の方が優れる
バタフライ弁
弁体の形が円盤になっていて、これを90°回転して開け閉めする構造です。
ボール弁とは異なり、中間開度での使用も可能であるほか、幅をとらないため省スペースでの設置も可能です。
水の配管だけではなく、設備用の空気配管などでも広く使われます。
〇長所
・省スペースで設置できる
・急な開け閉めができる
△短所
・流体の閉止性能が低い(内部の構造によっては比較的高いものもあり)
さいごに
いかがでしたでしょうか。
求める用途、役割に応じたバルブ選定が自然とできるようになるとよいですね!
今回紹介しきれなかったバルブについても、別の機会にまとめていこうと思います。
本格的に勉強したい方は以下の参考文献を読んでみてください。
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